保険を考えている方へのお手伝い
FP歴15年以上の矢口が保険のマメ知識をご紹介していきます。
なお、アフラックなどの特定の保険会社・特定の商品をお勧めしたりご紹介するモノではありません。
医療保険やがん保険、生命保険などを選ぶ際の皆さんのヒントになれば嬉しいです。
がん保険って必要なの?
ところで、がん保険って本当に必要なんですか?
「必要か?」と尋ねられれば「必要です」と回答します(笑)
では「がん保険の必要性」について一緒に考えていきましょう。
はい。
「がんと診断」される確率って、年代的にどんなイメージを持っていますか?
そうですねぇ
30代よりは40代、40代よりは50代と年齢を重ねるごとに「がんと診断される人」は多くなるんじゃないですか?
さすがですね(笑)
統計的にはその通りです。
だからがん保険の加入は年齢が上がってからでも良いんじゃないかなぁと考えています。
そうですね。
ここで「がんに罹患する確率〜累積罹患リスク」を見てみましょう。
出典
国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計』
最新がん統計
http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
がんで死亡する確率~累積死亡リスク(2015年データに基づく)
ルイセキリカンリスク???
難しい言葉で申し訳ありません。
簡単に言えば、ある年齢までに「がんと診断」されるおおよその確率です。
どうやって見るのですか?
例えば、30歳の女性で考えてみますね。
10年後までに1%の人が、20年後までに5%、
30年後の60歳までに11%の人ががんと診断される旨を表しています。
11%というのは、100人いたら11人。
10人いたら内1人が「60歳までにがんと診断される」ということですか・・・
11%というのは、およそ9人に1人。
この捉え方は人それぞれですが、決して少ない割合ではないと思います。
確かにそうですね・・・
その40歳代・50歳代と言えば、子どもの教育費が多くなる時期である点は忘れてはいけません。
大学生に成長する頃ですよね。
ここは重要な点です。
もしもお子さんが大学進学する頃、ママが「がん」と診断・不意の医療費がかかったとしたら、教育プランの変更を余儀なくさせられる可能性が出てきます。
う〜ん。
パートで働き続けるのは確かに難しそうな気はします。
パパが「がん」と診断されてしまう場合も当然ですが、ママが診断されてもそれなりの医療費がかかりますから、ある程度の出費は覚悟しないといけません。
あ、でも医療保険なら昔から契約しています。
「入院」や「手術」を受けたら保障される医療保険があれば大丈夫ですよね?
実を言えば、そうとも言い切れない時代となっています。
入院期間が短期化傾向にあることは聞いたことありますか?
もちろん聞いたことありますよ!
入院期間が短期化の傾向だとしても、「がん」が手術=完治と言い切れない性格の病気であることも聞いたことありますよね。
はい。
放射線治療だったり、抗がん剤治療だったり。検査や経過観察で何年も病院に通院する場合もあるって聞いたことがあります。
そこなんです。
「入院」「手術」を保障する医療保険では、外来(通院)で抗がん剤治療を受けたとしても保障はありません。
え?
でも、通院だからそんなに大きな医療費は掛からないのでしょ?
それがそうとも言い切れない時代が来ています。
通院でも大きな医療費が掛かると?
はい。
分子標的薬と言われる治療薬が登場した頃から、通院治療といえども安い医療費とは言い切れなくなっています。
そうなんですか?
そして2016年「年間3500万円の薬価」と話題になったがん治療薬が健康保険で認可されました。
年間3500万円?
1ヶ月あたりだと・・・
2017年2月に(異例だけど)薬価が半額に引き下げとなりましたが、患者側としては大きな影響はありません。
というと?
多くの方の場合、あっという間に健康保険の自己負担上限にタッチする金額ですね。
その上限額を毎月の医療費として準備する必要があるということです。
でも「入院」すれば私の加入している医療保険からも保障を受けられるのでしょ?
もちろん「入院」であれば保障はされますよ。
でも・・・
最近は副作用をある程度コントロールできる時代になっているために、通院で投与するケースも多いと聞きます。
確実に言えることは、未来の医療は今以上に進歩するということです。
「通院」でも多額の医療費が掛かる時代が来ているとは・・・通院は手間ひまはかかるけど、大きな金額の医療費は掛からないモノだと決めつけていました。
最近ではそうとも言い切れないようです。特に「がん治療」の分野では・・・
ここで以前の話「最初にやるべきこと」に繋がりますが、健康保険制度を最初にチェックする必要があるのです。
というと?
収入にもよりますが、毎月5〜10万円程度。
場合によってはそれ以上の医療費を、たとえ通院であっても自己負担する可能性がある高額ながん治療薬が登場しはじめている事実は要チェックですね。
安心して治療に専念するために医療保険に加入していたつもりでしたが、通院でも毎月5〜10万円の医療費が必要となると、保障内容的に安心できませんね。
手術を受けてすぐに社会復帰。
これであれば経済的ダメージも小さく、経済的な不安も小さいと言えます。
でも・・・
でも?
本当に怖いのは、治療期間が長期化した場合。
いつ治療が終了するか分からない中、毎月5~10万円の治療費が必要となります。
働いている方、それが家計を支える中心の方であれば、それまで通りの勤務が厳しい場合も想定する必要もあることでしょう。
それはつまり、収入が減る可能性を秘めています。
収入が減るにも関わらず、支出が今まで以上に増えたら・・・
・・・
たくさんの預貯金があれば問題ないしょうが、そうではない場合。
貯金は減り続け、いずれ残高ゼロになる恐怖と闘うことになります。
本来の保険とは、人生の一大事に備えるためのモノですので、「がんへの備え」はある意味で「普通の医療保険」よりも重要とも言えます。
人生の一大事に備えるのかぁ
まとめますね。
- 60歳前の子育て世代にも少なからず「がんと診断」される人がいる。
- 「がん」に備える本当の意味は、治療が長引いた時に備える点にある。
- 通院でも高額ながん治療薬を使われる可能性がある時代になっている。
- 「入院」「手術」だけの保障では「通院」は保障されない。
- 健康保険制度を確認してから通院保障を考える。
- 以前のがん保険に加入していても、給付金額と健康保険制度を最低限照らしあわせるべき。
asimomyのセカンドオピニオン〜保険相談のセカンドオピニオン