保険を考えている方へのお手伝い
FP歴15年以上の矢口が保険のマメ知識をご紹介していきます。
なお、アフラックなどの特定の保険会社・特定の商品をお勧めしたりご紹介するモノではありません。
医療保険やがん保険、生命保険などを選ぶ際の皆さんのヒントになれば嬉しいです。
がん保険を分解する<入院給付金編>
前回のがん保険を分解する<診断給付金編>に続いて、入院給付金の話をしていきますね。
特定の保険会社の商品ではなく、あくまでも一般的な話という前提です。
はい。
がん保険の入院給付金とは、文字通り、がん治療で入院したら入院1日あたり1万円といった給付金が受け取れる保障です。
医療保険と同じですが、何か違う点ってあるのですか?
そうですね。
多くのがん保険の入院給付金は、がん治療で入院している限り、入院日数無制限で保障するようになっています。
無制限?
一般的な医療保険だと、1入院60日まで・1入院120日までといった限度日数を定める商品が多いのですが、がん患者さんの中には長期入院をされる人もいたり、入退院を繰り返した結果1入院の日数が限度いっぱいとなる人も出てくるので、無制限という響きは安心ですね。
患者側からしたら、無制限という響きは確かに安心材料ですよね。
安心は安心ですが、最近は入院日数の短期化傾向がはっきり見えている点もお伝えしないといけません。
「がん」でも入院は短期化しているのですか?
ではここで、厚生労働省のデータをご紹介しますね。
平成26年(2014)患者調査の概況の統計表1~9のP30をご覧ください。
統計表7 退院患者の平均在院日数、年次・傷病大分類別というページがありますよね。
ありました。
「がん」は悪性新生物ですので、数字を一緒に見ましょう。
はい。
平成 8年:46.0日
平成11年:40.1日
平成14年:35.7日
平成17年:29.6日
平成20年:23.9日
平成23年:20.6日
平成26年:19.9日
平成8年から平成26年のわずか18年で、入院期間が半分以下になっています。
半分以下ってスゴイですね!
内視鏡を使った手術や腹腔鏡手術等々、身体にやさしい手術方法が増えていますからね。
また、抗がん剤の副作用である吐き気ですが、それをコントロールする治療技術の進歩もあって、入院治療から通院治療へシフトしています。
それも、入院期間が短期化された理由のひとつと言われています。
病室よりも、やっぱり自宅で家族と過ごしたいと思います・・・
長い入院をする人はゼロではありませんが、無制限の持つ意味合いは昔と比べて小さくなってきたかもしれませんね。
なるほど。
とは言え、入院・手術をすれば完治と呼べる性格の病気ではありません。
ここで、少し古い数字ですが厚生労働省の発表したデータをご紹介します。
お願いします。
何ですか?
それはこの部分です。
現在の医療機関のかかり方については、「外来通院中」が最も多く1,427 人(62.8%)
再発や転移の経験については「ある」という回答が約半数の1,056 人(46.5%)
今までに受けた治療(複数回答有)については、
「化学療法」が1,829 人(80.5%)、
「手術」が1,626 人(71.5%)、
「放射線療法」が735 人(32.3%)出典:平成22年度 がん対策評価・分析事業 報告書の概要(あなたの思いを聞かせてください!がん対策に関するアンケート調査)
手術を受けた人よりも、化学療法を受けている人が多いのは意外ですね。
今回は「がん保険の入院給付金」についての話ですが、抗がん剤治療を含む化学療法を約80%の患者さんが行なっている数字は覚えておいてください。
わかりました。
まとめますね。
- 入院給付金:「がん治療」で入院している限り、入院日数無制限で保障される。
- ただし、平均在院日数はこの18年間で46.0日→19.9日と半減した。
- 手術を受けた人(71.5%)よりも、化学療法を受けた人(80.5%)の方が多い。
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